宅配スコア閲覧
♪アジアの民族的な香りが漂う。勇壮的な導入部や民族的なピッコロのソロなど、構成は物語のように次々と変化していく。
①冒頭から始まるフルートソロに続き、サックス、中低域金管群のユニゾンが前半の印象を与え、ピッコロソロ、フルートユニゾンの重要なテーマ(オルティンドー・コージナナー)に繋がる。
② 中低域楽器の豊かなサウンドが重要
③打楽器が多用されており、バンドサウンドにアクセントが加わっているが、難しい楽器や高価な楽器は含まれておらず、工夫次第では5人での演奏も可能
④エンディングに向けて、切なく感動的な旋律を圧倒的なサウンドで演奏できるかが最重要課題
♪詳細情報♪
▼楽器編成▼
Flute 1 & 2 (div.)
Oboe 1 & 2
Bassoon 1 & 2
E♭Clarinet
B♭Clarinet 1 , 2 & 3 (all div.)
Alto Clarinet
Bass Clarinet
Contra-alto Clarinet
Soprano Saxophone
Alto Saxophone 1 (div.) & 2
Tenore Saxophone
Baritone Saxophone
Flugel Horn 1 & 2
F Horn 1 , 2 , 3 & 4
Trombone 1 , 2 & 3
Euphonium (div.)
Tuba (div.)
String Bass
Harp
Piano
Snare Drum
Bass Drum
Tom-tom
Bongo
Crash Cymbals
Suspended Cymbal
Antique Cymbal
Tam-tam
Glockenspiel
Clotales
Vibraphone
Marimba
Tublar bells
Wind Chime
Triangle
Maracas
Sleigh bells
Hyoshigi (拍子木)
♪楽曲解説♪
「信長~ルネサンスの光芒」(2006)に続く、佐川聖二氏発案の「英雄の悲劇」シリーズ第2作目にあたる。
リヴィエール吹奏楽団と三重県立上野高等学校吹奏楽部の共同委嘱により2007年に作曲。初演は2007年4月14日板橋区民文化センターにおいて佐川聖二指揮・リヴィエール吹奏楽団、4月28日伊賀市文化会館さまざまホールにおいて作曲者の指揮・上野高等学校吹奏楽部において行われた。
日本の追分の祖先とも言われている、モンゴルの民謡オルティンドー(長い歌の意味)と西洋4声体音楽を西洋と東洋にまたがる大きな大陸を制覇したチンギス・ハーンになぞらえ、音楽上で出会わせようとしたのがこの曲である。
曲中に使われているモンゴル民謡は「オルティンドー・ゴージナナー」(中間部のピッコロからの旋律)であり、伴奏のスネアドラムのリズムは征服・侵攻をイメージさせるある曲からの引用、また私の他の作品との関連性も踏まえ共通のモティーフや和音を使用するなど、いろいろな仕掛けを忍び込ませてある。よってチンギス・ハーンの生涯を描いた標題音楽ではなく、音楽的な出会いの場を想定している。
(鈴木 英史)