パガニーニアーナ ~パガニーニによるディヴェルティメント/森田一浩【吹奏楽ライセンス楽譜】
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- YDOM-B04
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- ブレーンミュージック / Brain Music
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宅配スコア閲覧:パガニーニアーナ ~パガニーニによるディヴェルティメント
♪詳細情報♪
演奏時間:8分30秒 (約)
グレード:4.5
主なソロパート: Fl. / Ob. / S.Sax.
Trp.最高音:1st:A / 2nd:G / 3rd:G
編成:吹奏楽
▼楽器編成▼
1st & 2nd Flutes
1st Oboe
2nd Oboe
(doub. English Horn in F)
1st Bassoon
2nd Bassoon
(doub. Contrabassoon)
Clarinet in E♭
1st Clarinet in B♭ (div.)
2nd Clarinet in B♭ (div.)
Alto Clarinet in E♭
Bass Clarinet in B♭
Contrabass Clarinet in B♭
Soprano Saxophone in B♭
1st Alto Saxophone in E♭
2nd Alto Saxophone in E♭
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭
2ne & 3rd Trumpets in Bb
1st & 2nd Horns in F
3rd & 4th Horns in F
1st & 2nd Trombones
Bass Trombone
Euphonium (div.)
Tuba (div.)
String Bass
Harp
Celesta
Percussion
Bass Drum
Suspended Cymbal
Triangle
Tambourine
Claves
Slapsticks
Glockenspiel
Xylophone
Vibraphone
Chimes
♪楽曲解説♪
ヴァイオリンの超絶技巧奏者であり、作曲家としても名高いニコロ・パガニーニ(1782~1840・イタリア)の無伴奏ヴァイオリン作品《24の奇想曲》から第3番、第6番、第9番、第12番、第15番、第20番、第24番のテーマを借用し、自由に変容させた作品。書法や楽曲構成が変奏曲とは異なり、より自由な展開を目指していることが「パガニーニによるディヴェルティメント」の副題からも察していただけるのではないだろうか。
パガニーニの原作は音楽史上はロマン派期の楽曲ではあるが、バロック舞曲やジプシー音楽のリズム、あるいは民族音楽のスタイルなどを広範囲に渡って吸収した、きわめて変化に富んだ作品である。演奏技巧の輝かしさが強調されているとはいえ、ヴァイオリン一挺という音色変化に乏しい演奏形態であるにもかかわらず、全24曲、70分を超す演奏時間が決して永く感じられないのは、音楽的多様性の魅力ゆえであろう。全曲のなかで特に有名な第24番は、それ自体が変奏曲のスタイルで書かれているが、即興的な華々しさと奥深い情感を併せ持つテーマはのちの作曲家たちを刺激し続け、新しい変奏曲が続々と誕生していった。俗に“パガニーニの主題”といえばこのメロディを指すほどで、F.リスト、J.ブラームス、S.ラフマニノフ、B.ブラッハー、W.ルトスワフスキをはじめ、吹奏楽の分野ではJ.バーンズやP.ウィルビーもこのテーマに基づく作品を残している。
「パガニーニアーナ」に使われた7曲のテーマは、《24の奇想曲》のなかでも明瞭なキャラクターを提示できるものを選んだ。ただし、原曲においてすでに与えられている性格をそのまま継承したものは少なく、メロディから受けた印象を自由に広げ、創作的な改変を加えたものもある。全体はおおよそ4つの部分にわけられる。
1.序奏~第12番
2.第6番~第15番~第9番
3.第3番
4.第20番~第24番
有名な第24番は最後の部分に残しておいたのだが、さすがに“パガニーニの主題”の呪縛は大きく、序奏をはじめ、いたるところに断片として現れている。
編成に関しては、第2オーボエのイングリッシュ・ホルン持ち換え、第2バスーンのダブル・バスーン持ち換え、ハープやチェレスタなど、標準の枠を超えている楽器には代替パートを指定すべきであるとも思ったが、これらを含めたサウンドを前提に着想した側面もあるので、あえて作曲時の編成をとどめることにした。特殊な楽器を持たない団体にはご迷惑をかけるかもしれないが、実際の演奏にあたっては演奏者側の判断と工夫に処理をゆだねたい。なお、テューバ・パートは音域が高い楽器(Ebバス)の併用を前提としている。オクターヴで書かれた高音域は省略しても差し支えない。
20年にわたり、吹奏楽のレパートリーを一緒に考え、また現場サイドからのアドヴァイスを送ってくれる埼玉県立伊奈学園総合高等学校の吹奏楽部が、2013年に創部30周年を迎えた。指導者の宇畑知樹先生は同高校の第1期卒業生であり、吹奏楽部の初代部長でもあったという。記念すべきこの年の定期演奏会(5月3日、4日)のために、感謝と祝意を込めてこの「パガニーニアーナ」を書かせていただいた。(森田一浩)