ラテンの明るさに満ちたエネルギッシュな作品。生き生きとしたリズムが弾ける演奏を！

「カルナバル！」はラテンのストリートカーニバルの興奮とエネルギーを生き生きと描写した作品です。四旬節前の祭りであるカーニバル（謝肉祭）の時期には、世界中がパレードと山車やダンサー、行商人、ストリートパフォーマーが参加するストリートパーティーで祝宴を上げます。 ジルーは数多くのラテンパーカッションを含めた様々な音色を用いて進む持続的なリズムのモーターを使うことで、カーニバルの活発さと忙しさを表現しています。Aセクションはいくつかのモチーフと主旋律の紹介です。響くオーケストレーションとスタイルを利用することで、それぞれのモチーフが色鮮やかなで豪華な衣装を纏ったダンサーたちのイメージを思い起こさせます。パレードが続くにつれて、旋律が相互に作用しているのが聞こえ、調性の中心音が変化し始めるとワクワク感が盛り上がってきます。Bセクションは、観衆とパフォーマーが一緒になって歌い始めたかのように、よりホモリズミックで協和的になります。次のダンサー集団がやってきたかのように、突然注意が逸れ、色の素早いフラッシュが入りながら、展開部を形成していきます。展開部から導かれた対照的なCセクションは、自由で荘厳なテクスチャーで、通り過ぎる巨大なパレードの流れを描いているのでしょう。冒頭からのモチーフがわずかに変奏し、短いコーダへ続きます。音楽が加速していくにつれて、激しい興奮とエネルギーが五感を一気に襲い、曲を終わりへと導きます。

「カルナバル！」の初演は2013年9月23日、ノーステキサス大学シンフォニックバンド（デニス・W・フィッシャー指揮）により行われた。

（プログラムノート：ジャスティン・ホワイト）