

楽曲詳細情報
- 作曲
- 片岡寛晶(Hiroaki Kataoka)
- 演奏時間
- 4:40
- グレード
- 4
- 編成
- クラリネット4重奏
楽器編成
- 1st Clarinet in B♭
- 2nd Clarinet in B♭
- 3rd Clarinet in B♭
- Bass Clarinet in B♭
楽曲解説
自作のクラリネットアンサンブル「影」シリーズは、1作目の嵐影(らんえい)から始まり、宵影(よいかげ)、波影(なみかげ)、紅影(べにかげ)、黎影(れいえい)と続き、本作の閃影(せんえい)で6作目を迎えます。「閃(せん)」という字には、閃(ひらめ)き、一瞬の光、稲妻などの意味を持ちます。瞬間的にエネルギーを込めた部分を閃とするならば、曲の持つ陰気な部分を影と捉えていただくと良いでしょう。時として、陰気は良いムードに変えられます。曲の面白みとは、そのような所にあるのではないでしょうか。
冒頭とエンディングのバスクラリネットソロは、土俗的な音楽を目指してみてください。ユニゾンでは、音の処理を大切にしていただく事で表現に幅が広がります。同等のフレーズやリズムの追いかけでは、響きのコントロールをされる事で、音の方向性が明確になり緊張感を生むでしょう。二拍三連や三連符のリズムは、音価を保つもよし、短めの表現もよし、所々、こぶしを利かせて歌い上げてみるのもよいでしょう。
最も重要な事は、ひとフレーズの中に、どこに音の重きを置くのかを考えて息を入れる事が大切です。特にスラーの表現では、それを意識出来ていない場合が多々ありますので、そういった所にも気持ちを込めていただけると、心遣いを感じる生命力に溢れた演奏になります。
長年に渡り影シリーズをご愛顧くださり、誠に感謝申し上げます。次回作も、どうぞご期待ください。
(片岡寛晶)
(委嘱団体)福岡県で活動されている『新宮町DREAM吹奏楽団』からの委嘱により、2024年に作曲。翌年、九州アンサンブルコンテストにおいて初演されました。これまで、数多くの片岡曲に取り組んでくださり、日々、アツい気持ちで練習に励んでいらっしゃる姿は多くの感銘を受けるものでした。初演に向け共に音楽作りをさせて頂き、作品の持つ魅力を最大限に引き出してくださった、メンバーの三輪 久美子さんをはじめ、クラリネットメンバー、ご指導くださった濵田 英幸さん、そして 尾木 恒雄 先生、その他関係者の皆様に心より感謝申し上げます。