打楽器奏者・寺田由美氏の委嘱により2023年春に作曲。鍵盤打楽器やティンパニーを使用しない、比較的コンパクトな楽器による三重奏曲です。
この曲のコンセプトのひとつは「シンクロ」。曲中、要所要所に全員で同じリズムを刻む場面があります。冒頭はダイナミックに、中盤は和太鼓風に、後半はスネアドラムのみのドラムライン風に……と姿を変えつつも、終始一貫したテンポの中で「一糸乱れぬ演奏」を聴かせる、というのを理想として作曲しました。
演奏にあたっては前述の他、強弱のコントラストがかなりはっきりした作品ですので、それを効果的に聴かせるアプローチ・音色感も大切にしてください。スネアドラム3台はそれぞれ異なるチューニングにした方が表情に変化が出て楽しいでしょう。

(坂井貴祐)

〈リピート内の音量記号の変化に関して〉
「pp-ppp」などの表記は、初めは左側の音量記号（pp）で演奏し、リピート時は右側の音量記号（ppp）で演奏を行ってください。

初演：寺田由美パーカッション・アンサンブル「ドライヴ」
Perc.1　土屋吉弘
Perc.2　樋口さゆり
Perc.3　寺田由美