「モーニング・スターズ」は1993年に作曲され、1994年3月20日に宮崎県芸術劇場で開催された「県民吹奏楽の祭典」に於いて、中西徹博指揮、都城高校吹奏楽部により初演された。同ホールの開館記念を兼ねて委嘱されたものである。
　「モーニング・スターズ」は、暁の明星、の意味であるが、これは委嘱の目的である開館を記念しその将来の発展を願うというほかに、これからの未来へ生きる我々が“希望の星”でありうるように、との意味も込められている。曲は、冒頭にトランペット、オーボエ、ソプラノサックスで提示されるテーマが、いろいろな要素と協調しながら、主役になり脇役になり、苦難と遭遇しつつ、自らとも幾重にも絡んで行くといったように進行する。それは何かを明確に目指すのではなくその色々な姿の中から、希望に至る道が感じられるように、という願いの形である。
　今回の出版にあたり、編成を整理し、若干の細部の変更を施した。

（鈴木英史）