この作品は埼玉栄高等学校の委嘱による編曲作品です。

　バッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻」の「前奏曲 第1番 ハ長調」を伴奏にし、ラテン語の聖句である「アヴェ マリア」の歌詞を使って旋律を作り完成させたグノーの言わずと知れた代表作です。

　ソプラノ歌手や弦楽器などで演奏される事の多いこの曲は吹奏楽ではあまり馴染みのなかった曲かも知れません。原曲のイメージを尊重し、優雅で美しく、あたかも天に昇って行くような響きを目指して編曲しました。

　演奏にあたり、分担されている伴奏部はレガートを心がけ繋がりを大切にして下さい。旋律はフレーズを大きく、やはりレガートを心がけ柔らかい音色で奏でて下さい。本番のみならず、練習するだけで心が洗われていくような名曲の響きをお楽しみ下さい。

（宍倉 晃）