1997年公開のアニメーション映画「もののけ姫」（宮崎駿監督）の音楽を担当した久石譲自らが、オーケストラ組曲（全8曲）として新たに作られた交響組曲「もののけ姫」を原曲とした吹奏楽編曲版。

この「もののけ姫」の音楽は、“イメージアルバム”、“サウンドトラック”そしてこの“交響組曲”とひとつの題材から数多くの楽曲が少しずつヴァージョンを変えながら作られるジブリ映画の中でも「多作な」作品と言えましょう。その中でも最後に作られたこの交響組曲は、世界的な実力を持つチェコ・フィルハーモニー管弦楽団による演奏で録音されたことでも音楽性の高い作品となっています。

その原曲から〈第一章アシタカせっ記〉〈第二章TA・TA・RI・GAMI〉〈第八章アシタカとサン〉は、第１集で吹奏楽用にアレンジされた「もののけ姫」セレクション（COMS-85035）で構成されています。新たに書かれた本作品は、〈第五章シシ神の森〉〈第七章黄泉の世界〉〈第四章もののけ姫〉を題材に作られた姉妹作品ともいえるメドレー形式の楽曲です。

委嘱は2012年千葉県にある聖徳大学附属中学校・高等学校　顧問進藤初男氏により〈シシ神の森〉と〈黄泉の世界〉をアレンジ。〈第四章もののけ姫〉はすでに書き下ろしていた吹奏楽版《交響組曲「もののけ姫」》第3曲もののけ姫を改訂して完成をみました。

原曲のオーケストラ版より短めのアレンジでより吹奏楽の良さを引き出したアレンジになっています。原作の持つミステリアスな情景や寂寥感などが表現され、コンサートは基よりコンクールでも充分な内容を持っている作品です。

編成は大きめ。既刊「もののけ姫」セレクションとともに多くの組み合わせが可能な楽譜です。