作曲：テオドロ・アパリシオ・バルベラン(Teodoro Aparicio Barberan)
演奏時間：28:38（約）
グレード：5.5
編成：吹奏楽
楽曲構成：全3楽章
第1楽章：Logos (reason) ロゴス（理性）
第2楽章：Pathos (emotion) パトス（感情）
第3楽章：Ethos (credibility) エトス（信頼・人格）

Piccolo
Flute 1
Flute 2
Oboe 1
Oboe 2
English Horn
Bassoon 1
Bassoon 2
Contrabassoon
Eb Clarinet
Bb Clarinet 1
Bb Clarinet 2
Bb Clarinet 3
Bb Bass Clarinet
Eb Alto Saxophone 1
Eb Alto Saxophone 2
Bb Tenor Saxophone
Eb Baritone Saxophone

Bb Trumpet 1
Bb Trumpet 2
Bb Trumpet 3
Bb Flugelhorn 1
Bb Flugelhorn 2
F Horn 1
F Horn 2
F Horn 3
F Horn 4
Trombone 1
Trombone 2
Bass Trombone
Baritone 1
Baritone 2
Tuba
Violincellos
String Bass

Piano
Timpani
[Percussion 1]
[Percussion 2]
[Percussion 3]
[Percussion 4]

テオドロ・アパリシオ・バルベランによる第2交響曲《States of Mind（ステーツ・オブ・マインド）》は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスが説いた「説得の三要素」、すなわちロゴス（理性）、パトス（感情）、エトス（信頼・人格）という考え方を音楽によって表現した意欲的な作品です。
作曲者は、音楽が言葉では届かない心の深い部分に触れる力を持つと信じており、それぞれの楽章を「音による議論（musical argument）」として構築しています。

第1楽章「ロゴス」は、論理的構造を重視したスケルツォ風のメロディーを軸に展開されます。リズムや和声が変化しながら、伝統的な作曲技法を通じて理性に訴える音楽が築かれていきます。
続く第2楽章「パトス」は、音そのものが感情を暗示するような構造になっています。前半では5つの音による音型が様々な音響環境の中で繰り返され、後半ではより調性感のある音楽が展開されることで、感情の深みがより明確に描き出されます。
そして最終楽章「エトス」では、作曲家自身の人格や信念が音楽に反映されています。明快なリズム構成、劇的なダイナミクスの対比、豊かな音色の変化が特徴的であり、特にハーモニーの扱いにはバルベランらしい独創性と効率性が見られます。このようにして、聴き手に対して強い説得力を持つ音楽が完成されています。

この交響曲は、作曲者が「この永遠に暗い音楽の世界に光をくれた、親愛なるヘンリー・アダムスへ」と捧げた作品でもあり、彼の音楽的哲学と感謝の気持ちが込められた深い意味を持つ一曲となっています。