作曲：ポール・ジャンジャン(Paul Jeanjean)
演奏時間：9：00（約）
編成：バスーン＆ピアノ

Bassoon, Piano

フランスの作曲家ポール・ジャンジャン（Paul Jeanjean, 1874?1928）は、主にクラリネット作品で知られていますが、他の木管楽器のためにも多くの魅力的な作品を残しました。
その中でも、《プレリュードとスケルツォ（Prelude et Scherzo）》は、ファゴット奏者にとって重要なレパートリーのひとつです。
この作品は、パリ音楽院（コンセルヴァトワール）からの依頼で書かれたもので、学生のコンクールやオーディション用の課題曲として使われていました。
ジャンジャンは優れた教育者でもあり、演奏技術と音楽性の両方を養うための作品を多く作曲しています。
この曲は2つの対照的な部分から構成されています：
・プレリュード（前奏曲）：は6/8拍子で書かれており、叙情的で流れるような旋律が特徴です。ファゴットの音色の美しさや歌うような表現力が求められます。
・スケルツォ：一転して速く、歯切れのよいスタッカートが多用された技術的な楽章です。軽快さと正確なリズム感、そして明るくユーモラスな表情が必要とされます。
《プレリュードとスケルツォ》は、上級者向けのチャレンジングな作品ですが、その分だけ演奏する喜びも大きく、聴衆にも強い印象を与える曲です。
ファゴットの豊かな表現力を引き出す、魅力あふれる一曲と言えるでしょう。