作曲：チャールズ・アイヴズ(Charles Ives)
編曲：ジェイムス・シンクレア(James Sinclair)
演奏時間：4:00（約）
グレード：4
編成：吹奏楽

Piccolo
Flute 1
Flute 2
Oboe 1
Oboe 2
Bassoon 1
Bassoon 2
Eb Clarinet
Bb Clarinet 1
Bb Clarinet 2
Bb Clarinet 3
Eb Alto Clarinet
Bb Bass Clarinet
Bb Contrabass Clarinet
Eb Alto Saxophone 1
Eb Alto Saxophone 2
Bb Tenor Saxophone
Eb Baritone Saxophone

Bb Cornet 1
Bb Cornet 2
Bb Cornet 3
Bb Trumpet 1
Bb Trumpet 2
F Horn 1
F Horn 2
F Horn 3
F Horn 4
Trombone 1
Trombone 2
Trombone 3
Baritone B.C.
Baritone T.C.
Tuba

Drums
Bell
Xylophone
Cymbals
Triangle

チャールズ・アイヴズの《カントリー・バンド・マーチ》は、冒頭の「音がずれている」ような導入から、最後の混沌とした大騒ぎまで、田舎の吹奏楽団の演奏のリアルな姿をユーモラスに描いた作品です。まるで練習中のバンドがそのまま本番を迎えたかのような、生き生きとしたパロディが展開されます。
主となる行進曲のテーマはアイヴズ自身の作とされていますが、曲中には多数の有名なメロディが引用されています。
たとえば、「アーカンソー・トラベラー」「自由の叫び」「ブリティッシュ・グレナディアーズ」「家を後にして」「ロンドン橋」「ジョージア行進曲」「寒い寒い墓場の主人」「故郷の人々」「すみれの花」「ヤンキー・ドゥードゥル」「メーデー・ワルツ」「常に忠実（海兵隊行進曲）」などが挙げられます。
ただし、これらのメロディは単純にそのまま演奏されるわけではありません。アイヴズ特有の「なんでも同時進行（ポリ・エブリシング）」と呼ばれる作風により、複数の旋律やリズムが重なり合い、意図的にずれていたり、テンポや調がぶつかり合ったりします。
さらに面白いのは、ラグタイムの要素も取り入れられており、このユーモラスで活気あふれる行進曲に軽快さと風刺的な魅力を加えています。
この作品は、聴いていて「何が起こっているの？」と思わせるような混乱の中に、アメリカ音楽への深い愛情とユーモアが込められた、非常にユニークな一曲です。