♪詳細情報♪
演奏時間:24分00秒 (約)
グレード:5.5
主なソロパート:Fl./Cl./Celesta / Mallets
Trp最高音:1st:high D (A) / 2nd:high B♭/ 3rd:Es / 4th:Es
編成:吹奏楽
楽器編成
▼楽器編成▼
Ob.1-2
E.H.
Bsn.1-2
Bsn.3-4(opt.)
Bb Cl.1-4
B.Cl.
A.Sax.1-2
T.Sax.
B.Sax.
Hrn.1-4
Trb.1-4
Euph.1-2
Tuba1-2
St.Bass
Celesta
Timp.
Chimes
Tri.
Tam-tam
B.D.
Crotales
Glockenspiel
Vibraphone
Sus.Cym.
Tom-tom1-2
Mahler Hammer
China Cym.
Marimba
Thundersheet
♪楽曲解説♪
エクスタティック・ウォーターズは、弁証的な緊張を表現した作品です。音楽的な要素と音楽以外の要素といった矛盾を並置し、それを紐解く試みをしました。5つの繋がった楽章は、単純さ、予言、狂信、アナーキー、秩序、人類進化の可能性を物語りのようにほのめかします。
1楽章「Ceremony of Innocence」、5楽章「Spiritus Mundi (epilogue)」も含め、全体のタイトルはイェイツの詩から引用しました。イェイツ特有の神話学、螺旋状のカオスについての象徴性、ぼんやりと現れる黙示が特に作品の初期に表現される一方、構成的なリアリティには頷かされます。エクスタティック・ウォーターズは、マシーンの秩序と共にある乱れた人間性を、人類進化の統合の発展性と同じ様にカーツワイルなどの未来派思想家からインスピレーションを得て描いたものです。
1楽章「Ceremony of Innocence」は、チェレスタとヴィブラフォンによるはっきりとしたB♭メジャーで溢れんばかりの歓喜を純粋に表現して始まります。楽章が徐々に進むにつれて勢いを増していきます。それは異常といえる程かもしれません。初めの無邪気さが危険な横柄さと素朴さに接しながら、明白なあつかましさに発展していきます。それが一変し、破滅の一歩手前でとどまり、冒頭の無邪気さが再び戻って終わります。
2楽章「Augurs」は、前楽章の持続不可能な本性が現れ、グラス・ハープの絶え間ないB♭の音が、トランペットの助けで徐々に微分音の固まりに拡散していきます。コラールのような要素が姿を現し、3楽章の激怒した独善を予告します。楽章は容赦なく、イェイツの渦のごとく、「the center cannot hold(中心がつかめなくなる)」(イェイツの詩「再生」の一節)まで、螺旋を描きながら、勢いを増し、爆発と共に3楽章の「The Generous Wrath of Simple Men」へ続きます。
3楽章「The Generous Wrath of Simple Men」は、そのタイトルから想像する音楽とは矛盾しています。冒頭は圧倒的な憤怒で爆発しながらも、急速に、今にも爆発しそうな16分音符の絶え間ないリズムへ崩れていきます。メロディーとピラミッドがこの周りに展開し、一時的に、力強い怒りのコラールにさえぎられながらも、あたかも全ての存在を消し去ってしまうかのように占拠します。この堂々巡りの中に、一瞬の平静が訪れますが、最後にはコラールが全てを包含しながら、制御不能にらせん状に動きながら、爆発し、支配します。
4楽章「The Loving Machinery of Justice」は、機械のような明快さと判断力をもたらします。調性と無調性の間の微妙な内部回転が、ソロのクラリネットとオーボエの主旋律と機械的なバスーンの伴奏の会話を補強します。楽章をA♭マイナーによる明確な決断で締めくくり、最終楽章の「Spiritus Mundi (epilogue)」に流れ着きます。1楽章の旋律を反復しながら、この短い瞑想的な最終楽章は調和を取り、緊張を解き放ちます。
アメリカ高等学校・大学コンソーシアム委嘱作品
初演:ブルース・モス(コンソーシアム代表)指揮、ボーリング・グリーン・州立大学ウインドシンフォニー
(スティーブン・ブライアント)