交響的詩曲「蜘蛛の糸」／福島弘和【吹奏楽ライセンス楽譜】

福島県立磐城高校の委嘱により2008年に作曲。

「物語を題材に美しい所とグロテスクな所があり、最後には天に昇る様に」 と委嘱先の先生から意向を承り、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を題材に作曲しました(天から落ちてしまいますが)。

曲の進行は話の筋通りに流れて行きますので、イメージはしやすいと思います。自分としましては、地獄の方が大勢の人が居て何だかにぎやかで楽しそうな曲になれば良いなと思います。最後の糸が切れる前に、オーボエのソロがあり(カンダタの主題)「やっぱり、切れるのかよっ」みたいな捨て台詞のイメージで演奏してみてください (他の場所も色々と想像しても面白いと思います)。

音階はペンタトニック(５音階)を増３度で平行に重ね、音程順に並び替えた音階(１オクターヴに９個の音がある音階)を使っています。この音階がポリコードになったり、１つの旋律になったり組み合わせで表現しています。

天国は幻想的に、地獄は躍動的に演奏して頂ければと思います。

（福島弘和）